LEATHER
アナロジコで扱うイタリアンレザーは、キズやシワ、シボなどのワイルドな表情をそのままに仕上げた植物タンニンなめし革です。
キズなどを隠すための表面加工が施されていないため、使いこむほどに味わい深く変化していく様子も、ありのままに感じることができます。
革に近寄ってみると、“トラ”と呼ばれるシワを伴う縞模様やバラキズ、色ムラ、大小の“シボ”(凹凸)など様々な風合いが広がっています。
大量に作られ消費されるものは、多くの人に選ばれるように “キズがないこと” はもとより、個体差のない“均一な仕上がり” を求められますが、私たちのものづくりはその真逆です。
この革を使うと、同じ製品でも、作るたびに生き生きとした違う表情を見せてくれます。だからこそ、毎日作りながらその表情にぐっときて、ワクワクするのです。
こうした“違い”や“個性”を、私たちと同じように面白いと感じてくれる方と、ワクワクする気持ちを共有したい。
愛着を持ってずっと使い続けられる革製品をお届けしたい。
これが私たちの思いです。
アナロジコの革
Missouri(ミッスーリ)
アナロジコで扱う革は全て、食用牛の副産物である皮を原材料とした“牛革”です。ヨーロッパ産の良質な原皮をイタリアのタンナーで鞣しています。
ほぼ全ての製品に使用している定番レザーが、こちらにご紹介するミッスーリです。
ランドセルには、ダコタレザーを使用。また、限定企画等でミッスーリ以外の革を使用することがあります。
牛が生きていた証であるキズやシワ、血管の跡などのワイルドな表情が随所に見られるイタリアンレザー。ツルッと滑らかな部分から、大小さまざまなシボ(凹凸)まで、一枚の革の中にも全く異なる表情が混在しています。この豊かな風合いにより、出来上がる革製品も生き生きとした個性ある仕上がりとなります。
ミッスーリの定番カラー
定番カラーはナチュラル、マローネ 、ブラックの3色です。
「エイジングギャラリー」で各カラーの特徴・経年変化をご覧ください。
ミッスーリで作る革製品の3つの特徴
1.ワイルドな表情
表面に余計なコーティングを施していないため、牛の皮膚のキズやシワ、たるみ、血管の跡など、ワイルドで生き生きとした表情が感じられるのが何よりの醍醐味です。私たちは、こうした不均一で変化に富んだ風合いこそ自然な革の一番の魅力であると考え、製品作りに生かしています。
2.個性的な仕上がり
同じ製品も一点一点全く異なる表情に仕上がります。ボコボコしたシボのあるもの、ツルッとしたもの、トラと呼ばれる縞模様が入っているものなど実に様々です。唯一無二のその風合いは、どんな表情でも、使っていくと不思議と愛着が増していきます。
3.美しい経年変化
新品(左)と数年使用したもの(右)を比較するとこのように色や艶が変化します。“劣化”ではなく、使い込むことで味わいが増し、美しい経年変化が楽しめます。光に当たったり、手や衣服と擦れることでエイジングが進みますので、ぜひたくさんお使いください。
その他の特徴については、「革製品の注意事項」に掲載しています。
気負わず毎日使える革
オイルたっぷりだから扱いやすい
ミッスーリレザーには、鞣しの工程で革にしなやかさを与えるオイルをたっぷりと浸透させています。
そのため、革を折り曲げ部分の色が薄くなる、プルアップという現象が見られます。この様な革は「プルアップレザー」と呼ばれています。折り曲げることで革の油分が移動して表面の色が変化するのです。形を戻して指で擦れば色は元に戻ります。
この潤沢な油分のおかげで、うっかり引っ掻いてキズを付けてしまった時にも、指先で擦るだけである程度カバーできますし、使い続けることでそのオイルが革を覆う皮膜となり、雨の日でも使えるタフな鞄に育っていきます。
ミッスーリを作るタンナー
La Perla Azzurra
タンナーとは、そのままでは腐敗し、硬化してしまう動物の“皮”を鞣して、丈夫で永く使える“革”という素材に仕上げる工場のことです。
アナロジコは、イタリア トスカーナ産植物タンニン鞣し革協会(※)に加盟するLa Perla Azzurta(ラ・ペッラ・アズーラ)社からミッスーリレザーを仕入れています。
※13世紀から続くトスカーナ州の伝統的な鞣し製法と技術の継承のため、1994年に設立された非営利団体。革の加工工程全てをトスカーナで行っていること、メタルフリーで植物タンニンのみにより鞣されていること、革を得るための動物の殺傷を行わないこと、安全な労働環境の整備など、多岐にわたる項目において厳しい基準を定めている。
La Perla Azzurra と analogico
アズーラ社の社長、マッシモ氏とアナロジコ代表の末吉は、末吉が前職の革のバイヤー時代にイタリアに赴いていた頃から十数年来の知人であり、革作りに関して全幅の信頼を寄せています。
彼らが来日して革の展示会を行う際には、その会場にアナロジコの製品の展示を依頼されます。アズーラ社の代表的なレザーであるミッスーリで作った製品としてアナロジコの鞄が並ぶことは、彼らの信頼の証であり、とても誇らしいことです。
アズーラ社がいい革を仕上げてくれるからこそ、私たちは魅力ある革製品を作って皆様にお届けすることができます。私たちのもの作りにはお互いの頼関係が欠かせません。
革についてもっと知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。