アナロジコで使用する革は、イタリア トスカーナ州サンタクローチェの歴史あるタンナー、La Perla Azzurra(ラ・ペッラ・アズーラ)社のMissouri(ミッスーリ)やDakota(ダコタ)など、厳選したナチュラルレザーを使用しています。ナチュラルレザーは植物タンニンなめしでつくられた、革の風合いをありのままに活かして作られた革のことです。ひと目で本革と分かる表情豊かな自然な風合い、高い上質感と風格、天然レザー特有の香りや滑らかな手触りが特徴です。動物の生きた証とも言える傷痕やシワ・血管や毛穴の痕などの自然の刻印がそのまま残されるため、表情がとても豊かで個性的になります。そういった自然の表情をそのまま活かした革こそ、本来の革の良さだと思っています。
アナロジコの使用するイタリアンレザーのハイクラスな品質は、イタリア植物タンニンなめし革協会によって保証されています。その素材の良さは手にとって見ていただければきっと感じていただけます。
ナチュラルレザーは線維がキュッと締まっているので、たいへん頑丈な革です。使い込んでゆくと徐々に繊維がほぐれて柔らかくなり、クッタリと馴染んできます。革の表面をコーティングするなどの加工をしていないため使用中に傷も付きますが、丁寧に手入れをしながら使うことにより長く使える革です。使い込む過程で付いた傷も革の味わいになっていきます。
ナチュラルな仕上げの革であるからこそ、牛が元々持っていたシワやたるみ、キズ、血管、毛穴などの痕跡がそのまま現れます。ナチュラルレザーは表面加工をほとんど施さないので、これらの痕跡が他の革よりもはっきり現われ、それが一枚一枚の革の個性や味わいになります。
革は日焼けしたり、ケアオイルや手の脂が染み込むことなどによって、色がより深いものへと変化します。じっくりと皮を鞣す工程で含ませたオイルが、使い込むうちに徐々に革の表面に染み出し、これが磨かれることで独特のじんわりとしたつやが出てきます。
ただ古びてゆくのではなく、年季が入るほど味わいを増し、革を持つ喜びを堪能させてくれます。
レザーエイジング植物タンニン鞣し(なめし)は先史時代にまでさかのぼることのできる、きわめて古い歴史をもつ加工法で、この革鞣し工程の基本はタンニンの使用にあります。タンニンが有効成分となって動物の皮の真皮を耐久性のある革に変化させるのです。タンニンは多くの植物に含まれており、樹皮、木質部、葉、根、或いは果実の中に存在しています。
最も古くから知られているのは栗から採取したエキスで、革を硬くする特性を持つため現在では主に靴の底革を鞣すために使用されています。最も広く鞣しに使われているのはケブラチョというアルゼンチンに生育する木から採取されたタンニンエキスです。ケブラチョの樹皮からは赤みがかった粉末のエキスが作られます。これを使うことで、革に特徴的な暖かいトーンを出すことができます。植物タンニンなめし革のもつ自然な風合いはタンニンによって作り出されているのです。
トスカーナのタンナーは当時と変わらず、こうした古代の革鞣しの技法を今に伝え、忘れ去られることがないように、日々努めています。父から子へ受け継がれてきた貴重な職人技の伝統は、とても時間と手間がかかるアナログな技法ですが、革本来の風合い・魅力が最大限に引き出されます。イタリア・トスカーナ州で作られる植物タンニンなめし革は主に牛(牝牛、牡牛、仔牛)の原皮で作られ、ハーフカーフ、ベリー、ショルダー、フロント、バットの裁断部位が販売されます。厚さはさまざまですが、裁断に応じて、最小で0.7、0.8ミリから、最大で4.0ミリまであります。
イタリア植物タンニンなめし革協会は、後述のLa Perla Azzurra(ラ・ペッラ・アズーラ)社を含む、製革産業地区で事業を営むトスカーナの22のタンナーによって構成されています。「トスカーナ・エクセレンス」の保護・向上を図るために、イタリア植物タンニンなめし革協会が作り上げたのが、革職人の手をモチーフにした「トスカーナ産植物タンニンなめし革」品質表示マークです。このマークは、労働者の働く環境・安全を守り、かつ環境の持続可能性に配慮しながら、100%トスカーナ地方において、主に職人技と手作業の加工によって得られた革であることを保証しています。
アナロジコの定番商品は、イタリア植物タンニンなめし革協会に所属するタンナー、La Perla Azzurra(ラ・ペッラ・アズーラ)社の作る、Missouri(ミッスーリ)またはDakota(ダコタ)を使用しています。この革は、法律で禁止されている化学物質を一切使用せず、植物タンニンのみにより鞣されたイタリアンレザーであることが、イタリア植物タンニンなめし革協会により保証されています。
イタリア トスカーナ州、フィレンツェとピサの間にあるサンタクローチェ地区は、ベジタブルタンニン鞣しの高品質の革を生産するタンナーが古くから存在する革職人の町です。
La Perla Azzurra(ラ・ペッラ・アズーラ)社はサンタクローチェにて、ヨーロッパ産の皮(主にフランス)を使用し、ベジタブルタンニン鞣しの革を50年以上にもわたり生産し続けている、歴史あるタンナーです。
伝統的な職人技術を用い、手間を時間をかけて、丁寧に革を仕上げています。
原皮の質が十分でないと、塗料を厚く塗って表面の傷を覆い隠します。
このことで、本革であっても革の表情が見えないビニールのような質感になってしまいます。
しかし、ミッスーリは、主にフランスから仕入れる、傷やシミの少ない選りすぐりの原皮から作られているため、表面を厚塗りの塗料で覆い隠す必要がありません。美しい、革本来の表情が生かされています。
なめしの工程で特製オイルを十分に含ませるなど、独自のレシピで作られるミッスーリは、シボやシワなどの革らしい野性味ある表情を持ちながら、上品さを感じさせる革に仕上がっています。
また、革の硬さと柔らかさのバランスが絶妙で、アナロジコの製品によく合います。
La Perla Azzurra社長でありイタリア植物タンニンなめし革協会の副会長でもあるマッシモ・ボルドリーニ氏がアナロジコのアトリエショップに訪れました。マッシモ氏との絆がanalogicoの高品質な革製品の礎です。
La Perla Azzurra社のMissouri(ミッスーリ)レザーは、じっくりとオイルに漬け込んだのち、数時間かけてドラム加工され、革の深くまでオイルが浸透しています。そのため、モチっとした独特な質感、イタリアンレザーらしい深みのある色合いが表現されています。革を折り曲げると、中に含まれたオイルが繊維内を移動し、革色が変化するプルアップ効果も特徴です。使い込む過程で内側から徐々にオイルが染み出し、美しい艶が出てきます。
カラーは、ナチュラル、マローネ、ブラックの3色です。
どのカラーも使い込むほどに色が深まり、表情豊かなエイジングを楽しむことができます。中でもナチュラルは、ほとんど染色が施されていないヌメ革のため、シボやシワなどの表情がより強調される他、まるで白いパンがこんがりと焼けていくような色の経年変化を楽しめる革色です。
La Perla Azzurra社のDakota(ダコタ)レザーは、表面の平滑な仕上げが特徴の革です。主にフランス産の原皮を使用し、肩部分のキメの細やかな繊維のため、ハリとコシがあり、しなやかさを併せ持つ、強度のある革です。
ナチュラルレザーため様々な表情がありますが、シボ感や革質についてはお選びいただけません。
表面加工をほとんど施さないナチュラルな仕上げの革です。牛がもともと持っていたシワやたるみ、キズ、血管の跡など、痕跡がそのまま革の表面や裏面に現れています。余計な加工を施さない天然皮革だけで楽しめる自然の表情です。
革の鞣し工程においてオイルや染料の浸透具合にムラが生じます。ほくろのような半纏があったり、部分的に白っぽく見えたりします。革表面にトップを吹かないナチュラルな仕上げのため、こうした表情が目立ちますが、その反面、革本来の経年変化を楽しむことができます。白っぽく見える部分にはラナパーなどの保革オイルを塗ると多少目立たなくなります。また、経年変化によって全体の色が濃くなったり、艶が出てくると始めよりも目立たなくなります。
アナロジコでは鞄づくりに最も適したショルダー部位(首から肩にかけての部位)を仕入れるため、「トラ」と呼ばれる縞模様が入ることがあります。ワイルドで野生的な雰囲気が楽しめる、ショルダー部位にしか現れない特別な表情です。これは、革のひび割れや亀裂ではないので、強度には全く問題ありません。
もともとの皮膚のシミや色ムラはもちろん、革の繊維の密度や原皮の状態の違いにより、染めムラが生じます。また、シボ(革の表面の凹凸)が目立つ部分から、滑らかな部分まで、風合いも様々です。こうしたムラや風合いの違いが、自然な革の豊かな表情となっています。
革を作る工程で、牛脂や蜜蝋などの様々なオイルを調合して浸透させています。こうしたオイルによって、革には独特な匂いがあります。また、ロットによりその成分や浸透量が微妙に変化し、香りやその強さも異なることがあります。燻製のような香りだったり、粘土のような匂いを感じる場合があります。
革の自然な表情を生かすため、表面に色止めなどの加工を施していません。ジーンズの色落ちと同じように、衣服とこすれたり水濡れにより、色移りすることがあります。使い込むと多少落ち着きます。明るい色の衣服などに合わせてお使いになる際にはお気をつけください。
イタリアの職人の手作業により作られる、植物タンニンなめしレザーのため、革の色にブレがあります。また、一枚の革の中にも染めムラがあり、同じ革色、同じ商品を同時にご注文頂いても、色味が異なることがあります。また、一つの製品の中で、パーツごとに色味が異なることがあります。
革を折り曲げた部分や、内縫い製品の縫い目付近は革内部の油分が周辺へ移動するため、色が白っぽく見えます。このように油分をたっぷりと含んだ革をプルアップレザーといい、色の変化や色ムラはその証です。プルアップレザー特有のしっとりとした手触りや、艶やかな美しいエイジングをお楽しみください。
一枚の革の裏面(床面)には一箇所、革の大きさを示す数字がスタンプされています。アナロジコでは革を無駄にしないために、こうした部分も製品作りに用いています。そのため、鞄の内側や、鞄のフタの裏等に、スタンプが入る場合があります。
イタリアから仕入れた革は、そのままの厚さで使うこともあれば、厚さを調整するため革を漉く(薄くする)ことがあります。この処理の有無により、同じ革色でも床面(革の裏面)の色が異なる場合があります。また、同じ製品の中でも、床面の色が異なる革を使うことがあります。
寒暖差で、ブルームと呼ばれる白い粉が浮き出てくることがあります。これは革に含まれるワックスが表面で固まったもので、ブライドルレザーのようにワックスをたっぷりと浸透させているため起こる現象です。ブラックなど暗い色の革だと目立ちますが、しばらくお使いいただくと自然に取れていきます。見た目が気になる場合は、濡らして固く絞った布で拭き取ると簡単に落とすことができます。
アナロジコで仕入れるイタリアンレザーは、質感や色合いの経年変化を楽しめる良質な植物タンニンなめしレザーです。使い込むことで深まっていく味わいは、革製品を使う醍醐味です。どの革色でもそれぞれの変化をお楽しみいただけますが、特にミッスーリレザーのナチュラルは、使い込むと大きく色合いが変化し、表情を変えていきます。
レザーエイジングボタンやハトメ、カシメなどの真鍮製の金具は、金具の製造過程において部分的に変色が生じることがあり、新品の製品にも写真のような部分的な変色が見られる場合がございます。また、ロットにより色合いに個体差がございます。
アナロジコで使うイタリアンレザーはオイルを多く含んだ良質な革ですが、定期的なオイル塗布で革を保護することで、より永く、綺麗に製品をお使いいただけます。メンテナンスには、ラナパーレザートリートメントがおすすめです。
ラナパーレザートリートメント