analogico 5th anniversary

2020年、アナロジコは創業の場所、代々木を離れて下北沢に移転。新メンバーが一気に3人増えて8人となり、大きな変化の年となりました。

そして、この10月には立ち上げから5年を迎えることができました。

これからも、自分たちが心から楽しいと思える創作活動をベースに、皆さんにもさらにたくさん楽しんで喜んでいただけるよう、進み続けます。

5周年にあたり

5年前に僕一人で始めた小さな鞄工房が、気がつけばスタッフも増え、今年は夢だった路面の店を構えるまでに成長しました。

独立後もアドバイスをくださり支えてくださった前職の革鞄工房の創業者、代々木のアトリエという場所を与えてくれた叔母、独立の頃から今に至るまで鞄を買って支え続けてくださる全てのお客様、取引先の方々、一緒にやってくれるスタッフみんなに心から感謝しています。

場所や規模が変わっても、アナロジコのマインドは創業時からずっと変わりません。「アナロジコ」とはイタリア語でアナログの意味で、人間味のある物づくりをしたいという思いが込められています。あらゆるものがデジタル化しても、人間的な部分は絶対になくなりません。一点ずつ手作りする製品づくりの工程はもちろん、お客様との会話や、人が人を育てることなど全てにおいてです。

これからも、お客様の意見やリクエストをもっと取り入れながら、人間味ある物づくりを続けていきます。今後にぜひ期待してください。

2020年10月
アナロジコ代表 末吉隼人


5年間のあゆみ

アナロジコのスタート

始まりは、末吉隼人が叔母から引き継いだ代々木の小さなアトリエ。古いマンションの外階段を降りた地下一階の一室でした。10年間鞄職人として修行してお世話になった革鞄工房を辞めて、この場所で、たった1人きりでスタートしました。

ブランドコンセプト

使うたびに愛着のわく、永く使える鞄を良質なイタリアンレザーで作りたい。大量生産や、流れ作業とは違い、最初から最後まで一貫して一人の職人の手仕事の積み重ねで製品を完成させ、自分の手で使う人の元へ届けたい。こうした思いから、ブランド名はイタリア語でアナログを意味する「analogico(アナロジコ)」と決めました。

このanalogicoのロゴは末吉の兄がデザインしたものです。手書きから起こした、流れるような書体には温かみも感じられ、このロゴなくしてアナロジコはありません。アナログな末吉とは正反対にデジタル、システムが専門の兄。オンラインショップのシステム開発や受発注システムの構築・管理は兄に外注し、滞りなく業務が行える環境を作ってもらっています。兄はアナロジコにはなくてはならない存在です。

製品作り

製品のデザイン、型紙作り、そして革での制作。頭の中に湧いてくるイメージを、一つひとつ形にしていく作業は楽しくて仕方がありませんでした。

誰にも知られていない店でしたが、ごくたまに、ホームページを見た方が訪ねてくることがありました。もくもくと作業している最中に、急にアトリエのドアが開くと心臓が止まるほどびっくりしたものでした。

革の仕入れ

ブランドの核となる革。ブランド立ち上げ後色々とイタリアの革を仕入れて試しましたが、最終的には前職の頃から付き合いの深いイタリア、トスカーナのタンナー、La Perla Azzurra(ラ・ペッラ・アズーラ)のミッスーリに決めました。Azzurra社はトスカーナ産植物タンニン鞣し革協会に所属する、由緒正しく素晴らしいタンナーです。

ミッスーリは、シボやシワなど自然の革本来の味わい深い表情が存分に楽しめる革です。表面に余計な加工を施していないため、植物タンニン鞣しらしい経年変化も楽しめます。そして柔らかさと張りを兼ね備えた革質も、自分が作りたい鞄にぴったりの理想のものでした。

イタリアでミッスーリレザーを見つけた時の感動は今も忘れません。いつかこの革で自分の製品を作りたいと強く願ったことを叶えることができました。

La Perla Azzurra マッシモ氏

イベント出店

地下のアトリエにこもっていてるだけでは、ほとんど誰にも製品を見てもらうことができないので、アトリエ近くの代々木公園や、学生時代から馴染みの深い千葉、地元の伊豆のクラフトフェアなど、各地の屋外イベントに出店を重ね、少しずつお客様との繋がりができるようになりました。青空の下での出店はとても気持ちよく、いろんな方と話ができる楽しい時間でした。

kasi-friendly アナロジコの手仕事展
kasi-friendly アナロジコの手仕事展
kasi-friendly

盛岡のセレクトショップ、kasi-friendlyさんとは長い付き合いで、毎年秋の展示販売会はアナロジコでも大切なイベントの一つです。

写真は2017年10月の展示会の様子で、記念すべき最初の1回目。長女も連れて家族3人で盛岡へ行きました。kasiさんの皆さんもお客様も本当に温かく私たちを迎えてくれました。

2020年はコロナの影響で中止となりましたが、また開催できる環境になり、盛岡へ行けることを心から願っています。

社員の入社

立ち上げから1年目に長女が生まれてからは夫婦で店に立つようになりました。鞄作りは全て末吉が担い、美紗子は広報担当に。

美術を学んできた経験から、商品撮影やWebコンテンツの作成、インスタグラムなど、制作以外の分野を担うようになりました。一人ではやりきれないことが少しずつできるようになっていきました。

2年目を迎える少し前に、ふらっとアトリエショップに来店した赤いワンピースの女性がいました。静かにじっくりと製品を見ている彼女に声をかけ、紆余曲折の末、なんと入社してもらうことになったのです。それが、社員第一号のみなみちゃんです。ちょうど、末吉一人では作り手が足りないと感じていた頃でした。

制作風景

真面目で一生懸命なみなみちゃん。一からみっちりと制作を教わり、めきめき力をつけていきました。入社3年目にはランドセルの縫製の助っ人ができるまでに成長しました。

アトリエショップの改装など、制作以外のこともみなみちゃんと一緒にやってきました。

みなみちゃんの入社から1年経って入ってくれたのがともちゃん。前職でも革製品の販売をしていた経験を活かしてもらい、制作を覚えてもらうだけでなくアトリエショップの運営を任せました。

ともちゃんはディスプレイもうまくて、アトリエショップの雰囲気もますます良くなっていきました。

そして、立ち上げから4年目に入社した、ムードメーカーのつかちゃん。インスタグラムへの登場回数も多く、会ったことはないけれどよく知っている方も多いと思います。入社時から変わらず朝一番に出社して制作に励む努力家です。

人が増えることで、先輩が後輩に技術を教え、お互いに高め合うという良い環境が整っていきました。末吉にとってはみんなの成長も、新たなやりがいとなりました。

イタリア研修と展示会

良い革を安定して仕入れられるよう、また新しい革や資材の仕入れのため革の展示会には定期的に足を運んでいます。一番印象深かったのはやはりイタリアで開催される世界最大級の革の展示会、リネアペッレです。2019年の秋に現地へ行きました。

そこで受けたセミナーのテーマは Sustainability。持続可能な製品づくりについて。
イタリアの革業界の取り組みと同じように、自分自身も、大量生産・大量消費とは逆に、作るのに時間はかかっても1つの鞄を永く使ってもらえるような製品づくりをしようと思い、アナロジコのブランドを立ち上げたことを再認識し、今後やるべきことについて、考えを深める機会となりました。

日本で開催される展示会には、スタッフも一緒に参加して、イタリア革業界のことやSustainabilityという視点から今どんなものづくりが求められているかなど、様々なことを学びました。

いつかスタッフみんなでイタリア研修に行きたいですが、今後どうなるでしょうか。この先のことも楽しみです。

下北沢への移転

スタッフが増え、商品も増え、徐々に手狭になってきた代々木のアトリエショップ。2019年から移転を視野に入れて新たな場所を探していました。下北沢の物件が決まり、移転計画を立てたのが2020年、春のことでした。
ちーちゃん たつ兄

このタイミングで入社してくれたのが、たつ兄とちーちゃんの2人です。

たつ兄は革の裁断を担当。製品の出来栄えを左右する難しい仕事にやりがいを持って取り組んでいます。

ちーちゃんは、オンラインショップの受注管理や問い合わせ対応などを担当。制作も少しずつ勉強中です。

店舗拡大のための移転も控えて、メンバーも増え、準備万端、いよいよこれから!という時に、突然のコロナショックに見舞われました。感染拡大防止のため、代々木のアトリエショップは予期せぬ形で4月に閉店することとなりました。

アトリエショップに来ていただけない中で、せめてオンラインショップで楽しんでいただきたいと思い、限定レザーの企画を出したり、みんなで必死に制作を続けました。

5月に入ってからは、移転準備を進めながらの制作。今思い返しても壮絶な日々でしたが、このメンバーだからこそ一緒に苦しい時を乗り切ることができたと思っています。

つわりでしばらく休んでいたみなみちゃんも、引越し直前に戻ってきてくれました。無事、メンバー全員で下北沢への移転の日を迎えることができました。

代々木のアトリエは綺麗に片付けて、ミシンや棚なども全て運び出しました。新しい什器を入れたり、棚を磨いたり、みんなで新アトリエショップを作り上げました。

新アトリエショップのオープン

2020年6月21日、満を持して下北沢の新アトリエショップがオープンしました。


階段を少し上がったところが工房併設のアトリエショップ、地下一階がメインの工房です。

下北沢のアトリエショップは窓が大きく、開放的な空間です。品数も多く、ゆっくりお買い物をしていただけるようになりました。

そして、移転後すぐにじゅんじゅんが入社して、総勢8名の大所帯に。

産休に入ったみなみちゃんが戻って来る頃にはどんなアナロジコになっているのでしょうか。

自主制作

店の活気は新作づくりから!アナロジコの商品の大部分は、創業の頃から、末吉がコツコツ作り上げてきたものですが、社員が増えたことで様々な製品が生まれるようになりました。ともちゃんが入社した3年目頃から、定期的に自主制作の時間を設けて、各自新作を発表しています。

みなみちゃんはギター(ベース)ストラップを作ったりもしていましたね。懐かしいです。

まだ一度しか行けていませんが、社員旅行も自主制作に活かされています。2019年には初の社員旅行で箱根へ。自分の試作品や、定番の製品の使い勝手を実際の旅行で確かめつつ、休みもしっかり満喫しました。

自主制作から生まれた人気商品もたくさんあります。

名刺入れを作ったきっかけ

下北沢移転後にもみんなで新作を出しました。

自主制作は、スタッフにとっても重要な時間です。自分で考えたものが形になり、商品になって、お客様に使ってもらえる楽しさ。これこそがもの作りの原点です。

そして今回は、気合いを入れた新作鞄、5周年記念モデルを全員で作りました!

アトリエショップやオンラインショップからご購入・ご注文いただけます。各々のこだわりや制作秘話など、各商品ページでどうぞじっくりご覧ください。

5周年記念モデル