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イタリア滞在レポート 末吉編

こんにちは!末吉です。
一週間程イタリア出張に行って来ました。
5年ぶりのイタリア出張です。

僕がアナロジコを立ち上げるきっかけになったタンナー La Perla Azzurra社(ラ•ペッラ•アズーラ社)とイタリアの革鞄工房を、スタッフ全員で見に行くことが一番の目的です。

15時間のフライトでフィレンツェへ。翌朝、朝イチでフィレンツェ駅でレンタカーを借りてタンナーに行く予定が、まさかのレンタカーの予約が無効とのこと!押し問答の末、何とか車を借りられて、無事予定時刻に到着しました。

Azzurra社を訪れるのは10年ぶりです。懐かしい!

マッシモ氏(右)はAzzurra社の社長であるのと同時にイタリア植物タンニン鞣し協会の会長でもあります。

みなさんお元気に働いていらっしゃいました。マッシモ氏のお父さん、恩年88歳、未だ現役で働いていらっしゃいます!尊敬です。

タンナーではミッスーリレザーを作る工程を見学させていただきました。
こちらに関してはレザーページにて後日詳しくお伝えできればと思います。
見せていただいた工程をざっくりとご紹介します。

Azzurra社が作る革の元となる原皮加工場に行きました。積んであるのは塩漬けされた生皮。牛は主にフランス産の牝牛です。鞣される前の毛のついた皮はなかなか見ることがないので貴重な体験でした。

ここは部屋のようですが、でかい冷蔵庫です。腐敗しないように温度管理をしています。


裁断のパートになります。ベリーを落としてダブルバットとショルダーに切り分けていきます。職人のナイフ捌きが見てて惚れ惚れします。一日中見てられますね。まるでマグロの解体ショーをみているようでした。

これは何ですか?と聞いたら、落ちた塩を回収して再利用するために保管しているとのこと。

こちらは端皮を集めたバケツ。これから膠(ゼラチン)を採るとのこと。一つも捨てることなく再利用しています。サスティナブル精神に驚きました。見習いたいところです。

半分鞣された状態でAzzurra社に入荷した革。既に毛はなく、白くて柔らかく、半生といった感じです。

こちらは革を鞣す際に入れるセーゴという脂です。加脂することでしなやかでコシのある革に育ちます。一見美味しそうです。脂はさらっとしていていい香りがします。

ドラムにセーゴと染料を入れて一週間かけて鞣します。取り出したときの染料で職人さんも染まってしまってました。

干す工程です。こちらも一週間かけて乾かします。

ドラムで加脂しているものの、乾かした革はまだカサカサした手触りです。ここにさらに別の機械でワックスを入れていきます。

こうして、何度も油分を入れることでしっとりしたミッスーリレザーが出来上がるんですね。

ちなみに、床面(裏面)がツルツルなのはワックスではなく樹脂を塗っているからです。この同じ機械を使ってワックスを入れたり、樹脂を入れたりするそうです。

その後も鞣す時とは別のドラムに入れて、ボラナート(シボ出し)と同時に、高温によりワックスを革の内部までしっかり浸透させます。

巨大なローラーで革を平らにしたり、床面をバフして整えたり、樹脂をかけたり、まだまだ数多くの工程があります。

革の大きさを測る機械です。これに革を通すとデシスタンプが押されます。スタンプの色は今回は赤でした。色は時々変わるようです。

アナロジコが発注していたミッスーリレザーの検品もしてきました。革の厚さ、大きさ、色味、脂ののり、裏の仕上がり、その他様々なチェックをします。品質管理についての話し合いもしました。

届くのはまだずっと先ですが、新しい革も仕入れたのでいずれお披露目したいと思います。

Azzurra社の皆さんとお食事です。

トスカーナ名物Tボーンステーキやイノシシ肉のパスタをいただきました。どれもとても美味しかったですが、イノシシ肉は特にここでしか味わえない最高の味でした!

夕飯はサンミニアートでピザとビールをいただきました。こちらも大変美味しかったです!

今回みんなでAzzurra社に訪問できたことはとても有意義なことでした。

イタリアタンニン鞣し協会を代表しているタンナーだけあって、作業の説明や何気ない会話の中にその誇りを感じました。

昔からの伝統を受け継いで一人一人がプロフェッショナルの意識を持ってそのパートを任され、しっかりとした品質管理と手間暇かけて作られていることがよくわかりました。


Azzurra社が良い革を提供し続けてくれるからアナロジコがあるのです。
Azzurra社のみなさん、たくさんのおもてなしをどうもありがとうございました!
またぜひ訪れたいと思います!

イタリアでの出来事はもっとあったのですが、僕の回はAzzurra社訪問で終わってしまいました。続きは他の人に託したいと思います。
次回のブログはワタです。