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イタリア出張レポート

だいぶご無沙汰してます。末吉隼人です。
昨年10月の話しになりますが、世界最大級の革の見本市、リネアペッレに参加するためにイタリアに行ってきました。イタリアへ行くのは4年ぶりです。久々のイタリア出張でテンションが上がります。

今回のイタリア出張はリネアペッレの研修プログラムでしたので様々な研修に参加させていただきました。

イタリアでの最初の滞在先はフィレンツェです。ここフィレンツェ近郊には革のタンナーの産業地帯となっており、革製品の製造業も古くから発展してきた歴史があります。

研修にて、フィレンツェにグッチやフェラガモの一号店があった話を聞きました。世界的なブランドも最初は一軒の店舗から始まったんですね。

エミリオプッチのアトリエで鞄製作の工程を見学しました。
最先端技術を使った鞄の金具のメッキ加工会社の見学。
丸革ごと鞣す巨大なタンナーを見学しました。とても近代的で綺麗な工場でした。
革の仕上げ屋の先端技術も見てきました。着色は銀面に染料をスプレーするのが一般的ですが、ここでは銀面にフィルムを貼ることでスプレーしたのと同じように仕上がるそうです。

夕食は久々にトスカーナ名物、Tボーンステーキを食いただきました!いつ食べてもかみごたえのある肉です。牛の肉を食べるからこそ革の仕事ができるんだなぁとしみじみ感じました。

翌日ミラノへ移動していざリネアペッレへ!

革の展示を見る前に、最初にセミナーを受けました。

テーマは Sustainability。持続可能な製品づくりについての話でした。

ファストファッション等で見られる安く大量に売られている物は、早いサイクルで使い捨てられている現状があります。また大量に生産されて過剰在庫で処分される商品があります。

そうしたモノを再び利用できるように素材を考えたり、廃棄されない製品づくりを考えることはメーカーにとってとても重要なことです。


イタリアの革業界の取り組みと同じように、自分自身も、大量生産・大量消費とは逆に、作るのに時間はかかっても1つの鞄を永く使ってもらえるような製品づくりをしようと思い、アナロジコのブランドを立ち上げたことを改めて思い直しました。


アナロジコが扱う革は数あるタンナーの中でも、手のマークの付いたイタリアタンニン鞣し革協会認定のタンナーの革を使っています。

環境破壊に繋がるような化学薬品は使用せず、昔ながらの製法を今も守って生産されています。

リネアペッレは、イタリアだけでなく世界中から皮革関連企業が出展しているので1000以上のブースがありますが、その中でも今回僕は、イタリア植物タンニン鞣し革協会に加盟しているタンナーをいろいろと見てまわりました。

先ずはアナロジコのメイン革であるミッスーリレザーを作っている、ラ・ペッラ・アズーラ社にお邪魔しました。

社長のマッシモ氏(写真左)。いつもは日本で会いますがマッシモ氏とこうしてイタリアで会うのは新鮮です。

いろんなテクスチャーの革がありました。

でもやっぱりミッスーリレザーが好きだなぁ。

僕のイタリアのおじいちゃん、前職の頃からイタリアで毎度お世話になっているピエーロとも再会できました!

バダラッシカルロ社。革から素材の良さが伝わってきます。

ワルピエ社。こちらも使いたくなる革がありました。
ブレターニャ社。ブースがカッコいいです。
道具屋も見てきました。日本で売ってる道具と微妙に違うので気になって長いこと見入ってしまいました。
いろいろ買って帰りたいけど小売りはしてないんです。
かわいいミニチュアのタンナーディスプレー
せっかく行ったので何か買いたいと言うことで、今回はフィレンツェから出展していた金具屋さんでベルトのバックルを少し仕入れました。そのうち限定商品で出せればいいなと思います。

今回のイタリア出張では、普段見ることができないたくさんの良い素材を見ることができました。

また、研修を通して普段はない他社の方々との交流があり、新鮮で刺激になりました。

会場が巨大で、革屋以外にも金具屋、ファスナー屋、刻印屋などなど、いくら時間があっても足りない位まだまだ見たい感じでした。

良い素材と出会うと、ものづくりの意欲をかき立てられます。こういう旅もたまには必要ですね。

イタリアでの経験を今後のものづくりに活かしていければと思います。


以上イタリア出張レポートでした。