雨の日、革鞄どうしてますか?
雨続きの毎日、皆さんは革鞄どうしていますか?
植物タンニンなめしの革は濡れるとシミになってしまうから、梅雨の間や雨の日は革の鞄は使わない、という方が多いかもしれません。
もちろんそれは、雨染み対策には一番有効な手段だと思います。
お天気のいい日に、安心して使うのが一番です。
ただ、この梅雨の間も私は毎日このショルダーバッグで外に出かけています。
右側は8ヶ月使っている>>月型ショルダーのページへのブラック、左側は新品です。
始めはマットな質感だったミッスーリレザーのブラックですが、使い込んで革に含まれたオイルが馴染み、じんわりと艶が出てきました。
ここまでくると、雨に塗れてもある程度水を弾くようになります。
ちょうど雨なので、濡らしてみました。
濡らすとこんな具合です。水はすぐには染み込まずに弾かれています。このまま放置すると染み込んでいってしまいますが、これくらいなら雨の日に外出しても、屋内に入った時にハンカチでさっと拭いてあげれば問題なく使えます。
一方、新品の革を水で濡らすと、2分も経たないうちに染みていきます。
そして、染み込んだ水の跡がかすかに残ってしまいました。
新品の鞄でも雨染みを残しづらくするにはどうしたらいいでしょうか。
丸で囲った部分にだけ保革オイルのラナパーを塗ってから濡らしてみました。すると違いが明らか!
使い始めにラナパーを鞄全体に塗ってあげると、雨染みができづらくなります。
ただし、新品の革鞄にラナパーを入れると革色がワントーン濃くなりますので、使い始めの色合いを楽しみたい場合は、いきなりラナパーを塗らずに、使い込んで徐々に革を馴染ませてから塗るようにしてください。(写真のトレーの右半分にラナパーを塗りました。塗った部分はこのように色が濃くなります。)
私のショルダーバッグはこれまでどんなふうにお手入れしてきたかというと、革の変化を純粋に楽しみたかったので、おろしたてではラナパーを塗らずに使い始めました。
そして、使い込む過程で、日々のホコリや汚れを落とすためたまに布で乾拭きしたり、濡らして固くしぼった布で鞄全体を水拭きして乾かして、ラナパーをたまに塗ったりしていました。
水拭きすると、引っ掻きキズも目立たなくなり、乾拭きだけでは落とせない汚れを落とすことができます。
ラナパーを塗ったのは8ヶ月間でたったの2回だけ。薄く全体に伸ばした程度です。
ミッスーリレザーにはもともとオイルがたっぷりと含まれています。日々鞄を使う中で、手で触ったり、服とこすれたりすることで、革の表面は少しずつ磨かれます。すると、革の内部に浸透していたオイルが表面をコーティングするような状態になります。このため、水をある程度弾くようになるのです。
さて、ここまではミッスーリのブラックで革の様子を見てみましたが、明るい革色のナチュラルだとどうでしょうか。
こちらも水で濡らしてみました。これは、ラナパーを塗っていない新しい革です。
濡れたままにしておくと水がどんどん染み込んでいきます。
10分後、革に水が染み込んで、うっすら跡が残ってしまいました。(写真だとかなり分かりづらいですが、水で濡れた形にシミになっています。)
こんな時はできるだけ早く、湿らせた布でで革全体を湿らせてあげてください。
今回は濡れた部分を乾かしてからお手入れしましたが、本来は濡れ跡が乾く前にお手入れするのがベストです!
雨染みを中心に濡らします。ゴシゴシこするより、トントンと軽く叩く感じでやってあげるといいですよ。
こんな風に、シミをぼんやりぼかす感じです。
このまま乾かします。
乾かすとシミがほとんど見えなくなりました!濡らして乾いた部分は革が乾燥しているので、水気を完全に乾かしてから、ラナパーを薄く塗ってあげます。こうすればケアは完璧です。
次に、使い込んで艶が出てきたナチュラルでシミができるか見てみましょう。
使い込んだミッスーリのナチュラルです。1年ほど使って色が濃くなり艶が出てきた状態です。
ブラックと同じように水を弾きましたが、少し時間をおくと革へ浸透していくのがわかります。
ブラックよりも水が浸透していく様子がよく見えるので、やっぱり雨染みがちょっと心配です・・・。
完全に染み込む前に、乾いた布で雨を拭き取りました。濡れた部分は色が変わって見えます。
このまま放置してみると・・・
消えました!シミになってしまうか心配でしたが、10分ほど放置していたら、雨に濡れたところはすっかり乾いて分からなくなりました。使い込んで艶が出てきている革の場合、水気を早く拭き取ってあげれば、雨染みは残りづらいようです。
(※革のコンディションや濡れ具合によるので、どしゃぶりなどで心配な場合は鞄を休ませてあげましょう。)
革鞄はシミが心配で雨の日はなかなか使いづらいですが、オイルをたっぷり含んだミッスーリレザーなら、使い込んで艶が出てくる頃には雨染みもできにくくなります。そして、使い始めでも、水滴をすぐに拭き取ってあげたり、お手入れ次第で雨染みを残りづらくすることができます。
濡れた後のお手入れや、ラナパーを塗るなど日頃のケアで、梅雨どきもぜひアナロジコの革鞄を楽しんで使ってみてください。
※雨で衣服や鞄が濡れた状態で長時間背負い続けると、革から衣服へ色移りすることがあります。(乾いていても色移りは起こります)しっかり洗濯することにより、衣服に着いた色はおおよそ落ちますが、大切な衣類や明るい色の服には十分お気をつけください。
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